他の業務があるから教材研究は勤務時間外にやらないといけない。
1コマの授業にかなりの時間を教材研究にかけてしまう。
教材研究をやらないと不安。教材研究はきりがない。
私も、教材研究に対して、多くの悩みを抱えながらやっていました。教材研究の仕方や在り方は、教員一人ひとり違うと思うます。今回は、『To先生流教材研究~算数編~』をまとめてみました。皆さんの悩みが少しでも解決できると嬉しいです。
To先生のプロフィール(前提)
30代前半の男性 小学校教員8年目(内1年育休) 前職歴なし
地方の小学校2校目 担任経験学年3年、4年、5年
体育主任・研究主任など経験済み
2023年8月から2回目の育児休業取得中
教材研究とは
私の中で教材研究は、子どもたちが主体的に学ぶためにどんな手立てを打つかを考える時間だとおもっています。そして、子どもたちが主体的に学んでいるクラスの授業では、教員はほとんどしゃべっていません。(授業中は子どもたちの様子を見ている。)
授業中ほとんどしゃべらない教員は、ラーニングピラミッドのことを知っていると思います。 ラーニングピラミッドとは、アメリカ国立訓練研究所の研究結果で、学習方法と学習定着率の関係を図に表したものです。
これを見て分かる通り、授業中に教員が一生懸命説明した学習内容の定着率は5%とかなり低いことが分かります。
私は、授業中の説明(講義)を極限まで減らし、ラーニングピラミッドでいう「練習」や「他者に教える」時間が多い授業を目指して教材研究をしています。
教材研究~算数~
今回は、私が大好きな算数の教材研究の仕方をお伝えしたいと思います。世の中にたくさんある中の1つの教材研究の方法だと思ってください。
① ねらいを決める
何を教えないといけないか、何を学んでほしいかをまず決めます。基本的に教科書通りに進めていくので、すぐにねらいに決まります。
② ワークシートを作る
授業中、子どもたちはノートを使いますが、板書するのはめあてとまとめぐらいです。授業で出す問題は基本的にワークシートで出します。授業の終わりにそのワークシートをノートに貼ります。問題をノートに書き写させない理由は、ただ単に書き写す時間を問題を解く時間に当てたいからです。子どもたちだって、問題が出てきたらすぐに解きたいはずなのに、ノートに問題を書き写さないといけないとなると、問題を解くまでのハードルが上がります。集中も切れてしまうかもしれません。
ワークシートは、教科書の問題を基にWordなどで作り、データを残します。そうすると電子黒板に問題を映し出すことができるので、黒板に問題を書く必要もありません。また、いずれデータを使う日が来るかもしれません。
1回の算数の授業のために、2~3枚のワークシートを作ることが多いです。ワークシート作りは大変ですが、授業中は黒板に字を書いたり、話したしすることが少なくなるので楽です。
※ワークシートのデータを子どもたち一人一人のタブレットに入れて、タブレットでさせたこともありますが、やはり紙で出す方が集中して解いてくれます。
③ 応用問題を考える
私の中で応用問題とは、解けそうで解けない問題のことです。なので、クラスの中で1~2人解ければいいと思って応用問題を作ります。時間内に1人も解けない問題を出したことが何度もあります。
応用問題の例 『小学3年 算数 わり算』 初めてわり算を習います。教科書の内容は12÷4の文章問題が出てきます。ひと通り終わった後に応用問題として91÷13の文章問題を出しました。実は2桁÷2桁は4年生の学習です。「これは、4年生の後半で学習する内容だよ」というと子どもたちは、必死になってやります。当然、計算でできないので図を書いて問題を解きます。解けたのは数名だけでしたがそれでいいと思っています。この授業のねらいは「同じ数ずつ分けることができる」でした。問題が難しいからこそ、必死に図を書き、間違えないように丁寧に数えながら分けていくことができていました。
解けそうで解けない応用問題を作るのはものすごく大変です。毎授業出していたわけではなく、10回の算数の授業中6回ぐらいは出しているイメージです。
応用問題は、1つ上の学年から探したり、学力調査の過去問から探してみたり、教科書の問題の数字を複雑にしてみたりと、色々な方法で作ることができます。
④ ヒントとなる資料を集める
基本的に自分たちで問題を解決してほしいので、授業中の説明や解説も最小限にしたいと考えています。説明や解説を最小限にするために、ヒントとなる資料を子どもたちに提供します。その単元で使えそうな資料をこれでもかと集めます。集めた資料はロイロノート(タブレット)を使っていつでも見れるようにしておきます。(見るか見ないかは子どもたちが自分で決める)
ヒントとなる資料の例 『小学4年 算数 わり算の筆算』 わり算の筆算は、かけ算九九の習得が不可欠ですが、クラスの中にはかけ算九九があいまいな児童がいます。その子どもわり算の筆算を習わないといけません。『かけ算九九ができないからわり算の筆算もできない』をなくすためにかけ算九九の表を配ります。授業のねらいが「わり算の筆算ができる」なので、かけ算九九の表を見てわり算の筆算ができるならいいですよね。また、かけ算九九の表を見ながらわり算の筆算をしているうちに、かけ算九九まで覚える子までいました。
資料いつでも見れるところに置いていることで、教師に頼ることなく、自分でもしくは子どもたち同士で問題解決を目指すことができます。
まとめ
教員歴8年ですが、未だに教材研究はきりがないと感じます。そして、教材研究の仕方や考え方は、教員の数だけあります。だからこそ、自分のやり方を見つけ、効率よく教材研究を終わらせ、自分や家族のために時間を使ってほしいです。
この時期になると続々と教員採用試験合格者が出てきます。おめでとうございます。次年度は、初任者として大変かと思いますが、ともに頑張りましょう。下記の記事も参考にしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事でみなさんの悩みが解決し、次に進めたら幸いです。
『無知が一番の損』 これからも学んでいきましょう。
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